クリエイティブ大分委員会<別府芸術祭鑑賞ツアー>塩田千春展『巡る記憶』
実施日
2022年8月9日(火)
場所
別府市/JR別府駅
参加者
19名
*終了しました。
塩田千春は、場所やものに宿る記憶を糸で紡いで作品を制作することで知られるアーティスト。森美術館で2019年に開催された個展は実に67万人が鑑賞し、その年の国内芸術展覧会の入場者数でトップに輝いた。今回の別府視察では、彼女が別府という場所と向き合って制作した2つの新作を鑑賞した。
別府駅に集合した視察参加者は、総合プロデューサーの山出淳也氏(Yamaide Art Office㈱ 代表取締役)の案内で、別府市中心市街地の2つの展示会場を回遊するとともに、塩田が過去に参加した展覧会の映像や図録を設置したサテライト会場「platform05」や、展覧会オリジナルグッズを扱うセレクトショップ「SELECT BEPPU」も見学した。
第1の展示会場は、元は卸問屋だった草本ビル2・3階の「BEP.Lab(ベップラボ)」である。日本家屋の壁や天井であった空間は無数の白い糸で覆われ、その糸を伝ってポタポタと水が落ちては波紋ができ、床には底知れぬ池が生まれていた。作家の言葉によれば、白糸と水滴は「大地からの湯気」「流れる涙」「落ちる水道の水」「肩に降る冷たい雨」をイメージさせるという。温泉とともに生きてきた別府のまちを象徴する作品といえよう。また、これだけ大量の水を用いたインスタレーションは、塩田にとっても初の挑戦であると伺った。
第2の展示会場は、今は閉店した老舗中華料理屋「新中華園ビル」の1階にあった。店内には、当時使われていた円卓や椅子、さらには数々の食器や食品サンプルが再配置され、それらすべてを無数の赤い糸がつなぎ合わせ、中空に浮遊させていた。かつて新中華園を愛用していた人々の姿が刹那に甦るような展示であった。
(文責:大分経済同友会事務局)
『東アジア文化都市2022大分県』の中核事業である塩田千春展『巡る記憶』を視察。塩田千春は、場所やものに宿る記憶を糸で紡いで作品を制作することで知られる。森美術館で2019年に開催された個展は実に67万人が鑑賞し、その年の国内芸術展覧会の入場者数でトップに輝いた。今回の視察では、彼女が別府という場所と向き合って制作した新作を鑑賞した。
【塩田千春展『巡る記憶』開催概要】
ベルリンを拠点に国際的に活躍するアーティスト・塩田千春は、2015年に国際美術展『ヴェネチア・ビエンナーレ』(イタリア)の日本館代表に選出、2019年には森美術館(東京)にて大規模な個展を開催するなど、現在日本で最も注目されているアーティストの1人です。生と死、存在、記憶など人間の根源的な問いをテーマにした塩田千春の作品は、その圧倒的な作品体験とともに私たちの感情を強く揺さぶります。本展では別府駅周辺の2つの場所が、ダイナミックで繊細な作品空間へと生まれ変わります。
会期
2022年8月5日(金)~10月16日(日)
休み:火曜日、水曜日
主催
混浴温泉世界実行委員会、東アジア文化都市2022大分県実行委員会
総合プロデューサー
山出淳也氏 (Yamaide Art Office株式会社 代表取締役)