GX委員会<講演会> 気候変動問題、GXに関する講演会
開催日
2022年9月26日(月)
15:00~16:30
会場
トキハ会館
テーマ
「気候変動問題とカーボンニュートラルへの対応 ~GXに向けて」
講師
立命館アジア太平洋大学 アジア太平洋学部
教授:須藤 智徳 氏
出席者:37名
*終了しました。
須藤教授は、国際協力銀行、国際協力機構勤務時に気候変動枠組み条約締結国会議交渉対応および国連SDGsオープンワーキンググループ交渉対応を担当するなど、気候変動問題を専門とする。このため、2022年4月に設置されたGX委員会の初めての講演会で、地球温暖化について基礎から説明いただくこととした。
CO2などの温室効果ガスは、光はよく通すが赤外線(熱)を吸収する。このため、人為的に排出される温室効果ガスが増えすぎると、赤外線が地球に籠もって温暖化が起きるという。この結果、災害が発生する確率が上昇し、被害規模が拡大する。国連が設立した「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)は当初から、人間活動が地球温暖化に影響を及ぼす可能性を指摘してきたが、最新の評価報告書では「疑う余地がない」と断言した。
パリ協定は、地球の気温上昇を産業革命前に比べて最低2℃、できれば1.5℃に抑えることを目標に掲げる。そのため、温室効果ガスの人為的排出量から、植林や森林管理による吸収量を差し引いて、合計を実質的にゼロにする「カーボンニュートラル」が求められている。
カーボンニュートラルの達成には、CCUS(二酸化炭素回収・利用・貯蔵)、メタネーション(メタンの燃料利用)などの新技術開発や、排出権取引の推進が必要である。また、経済産業省が中心となって設立したGX(グリーントランスフォーメーション)リーグのように、カーボンニュートラルを経済成長の機会と捉え、排出削減と産業競争力の向上に向けて経済社会システム全体を変革する試みも重要である。
(文責:大分経済同友会事務局)