2024年7月クリエイティブ大分委員会 <欧州・ポルトガル視察>
クリエイティブ大分委員会企画 欧州視察のご案内 ※終了
*終了しました(参加 15名)
概要は下記報告をご覧ください。
2024年7月2日(火)~7月9日(火)5泊8日
<お申し込みについて>
クリエイティブ大分委員会に登録されている方へご案内しました。
行程表などの詳細資料をご希望の方へお送りしていますので事務局へご連絡ください。
視察の参加お申込みは3月1日(金)を期限としています。
報告
クリエイティブ大分委員会は、大分における創造都市の実現やクリエイティブ産業の振興に向けた調査提言活動を続けてきた。
創造都市とは、アートや文化の力を活かして都市の再生や地域経済の振興を図るもので、欧州で先駆けた取り組みが進められた後、世界各地で同様の取り組みが展開している。
その主たる一つに、国際連合の機関であるユネスコが創設した「ユネスコ創造都市ネットワーク」(UNESCO Creative Cities Network:UCCN)がある。世界各地の創造都市の交流・推進を図る仕組みとして2004年に始まったもので、文学、映画、音楽、工芸(クラフト&フォークアート)、デザイン、メディアアート、食文化(ガストロノミー)の7分野で、世界的に特色のある都市を認定している。
現時点で全世界の350の都市が加盟しており、わが国では、2021年に食文化分野で加盟した大分県臼杵市をはじめ、11都市が認定を受けている。
臼杵市のUCCN加盟を受けて、大分経済同友会は当委員会が中心となって2023年10月に提言「創造立県の継承と発展に向けて~人口減少下における大分の活路~」を大分県に提出した。
その中では、「大分県版創造都市ネットワークの設立」と「UCCN年次総会の誘致」を提唱している。
前者は、県内各地の魅力ある地域文化資源を発掘して磨き上げ、相互に連携させて国内外に向けて発信することで地域ブランド化を図るものである。
そして後者は、その大分県版創造都市ネットワークが臼杵市をサポートしてUCCNの年次総会を誘致し、世界各地の創造都市との交流を通じて、県内各地の文化を磨き上げ、大分県の創造的魅力を世界に発信するものである。
そこで当委員会は、創造都市間の交流のあり方について学びを深めるために、UCCN年次総会を開催中のポルトガル北部の都市ブラガを7月3~4日に訪れた。
ブラガは、二千年の歴史を持つ信仰の町として知られる一方で、国際的な最先端テクノロジー企業が集積する活気に満ちた都市でもあり、UCCNにはメディアアート分野で加盟している。
視察団はブラガで、メディアアートの拠点施設「GNRATION」や、年次総会の会場である大規模コンベンション施設「フォーラム・ブラガ」を視察した。
現地では、ブラガ市長のリカルド・リオ氏の出迎えを受け、ブラガの地域再生の取り組みについて市長ご本人からレクチャーをいただいた。私たちからは「大阪・関西万博で来日した際は、大分県、臼杵市も訪れてほしい」という大分県知事からの信書を手渡し、市長より前向きなお返事を頂戴した。そして、この様子は現地メディアでも大きく報道された。
さて、当会の提言は、カルチャーツーリズム(文化観光)とテックツーリズム(科学技術をコンテンツとした大分県観光の新たな魅力創出)の推進も謳っている。
カルチャーツーリズムのデスティネーション(目的地)になるには、アートや食文化をはじめとした文化資源の掘り起こしと磨き上げを通じた魅力の創出が必要である。
そうした観点から私たちは、ブラガに続いて、ポルトガル北部の中心都市ポルト(7月4~5日)と、首都のリスボン(7月6~8日)を訪問した。
リスボン市は人口54万人、ポルト市23万人、ブラガ市19万人といずれも規模は小さいが、ポルトガル第1~3位の都市圏人口を擁し、そこには歴史的で魅力的な街並みが残されている。
ポルト、リスボンの市街地にはそれぞれ、「ポルト歴史地区」「ジェロニモス修道院とベレンの塔」という世界遺産があり、その都市景観は観光客を惹きつける文化資源になっている。
そして、これらの都市では同時に、若いアーティストやクリエイターの活躍も盛んだ。
ポルトには古いワイン貯蔵庫を修復した食文化の複合施設「WOW」(2020年開業)が、リスボンには19世紀の紡績工場をアートや食文化の拠点に改装した「LXファクトリー」(2008年開業)がある。
今回の視察では、こうした新旧の文化観光拠点の見学を行った。
また、テックツーリズムの参考になるのは、科学技術を文化と融合させて観光にも活用する取り組みである。
リスボンで視察したアート・建築・テクノロジー美術館「MAAT」(2018年開業)は、発電所跡をリノベーションしたミュージアムで、現代アートの紹介と、電力を中心とした科学技術の歴史展示に特色があった。
(文責:大分経済同友会事務局)